英語は単語や文法をたくさん知っていても、文章を読んでいると意味が分からなくなることがよくあります。色々な理由で理解しにくくなることがありますが、特にイディオム文章を読んでいる上で、勘違いしやすいのです。
そもそもイディオムとは、熟語や慣用語句という意味で一つの単語に一つ以上の単語を加えると全く違う意味になってしまいます。
例えばtakeは「(物を)取る」や「写真を撮る」というような意味がありますが、take part in ~ では「〜に参加する」というように全く意味が違うものになってしまいます。
とってもややこしいですよね。
このように一つの単語で覚えるだけでは英語は読めないことも多いのです。なので、イディオムを覚えることはとても重要な要素です。センター試験、英検やTOEIC対策としても覚えておきたいものです。
今回紹介するのは、「hit」という単語を使っているイディオムと活用方法です。
「hit」という動詞の本来の意味は「叩く」ですが、この記事で紹介するイディオムでは全く意味が違うのです。
英会話で便利な表現も多いので、覚えておきましょう。
英語初心者へおすすめの単語帳は、以下の記事で紹介しております。
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1. Hit the books
「Time to hit the books!」という文章を聞いたことはありますか?
この文章を言葉通りに訳したら本を叩くという意味になりますよね。
しかし、「hit the books」は本を叩くという意味ではなく、勉強するという意味です。
例文:
「Sorry, I can’t go today. I gotta go home and hit the books.」
翻訳:
「ごめん、今日は行けないよ。家に帰って猛勉強しなきゃダメなんだ。」
本にイライラをぶつけないとダメというように訳してもある意味で合っているかもれしれませんが、勉強といった方がわかりやすいでしょう。
ある意味で、英語の勉強にとても使えそうなイディオムですね。
2. Hit a home run
本来はホームランを打つという意味で、そのまま使われているのですが、イディオムとして使う時には少し違います。
野球のホームランはとても素晴らしいことですよね。
英語の「hit a home run」、実は何かで成功するという意味です。
例文:
「I think I’m going to hit a home run on my English test tomorrow.」
翻訳:
「明日の英語の試験はすごくうまくいくと思う。」
上の例文では、英語の試験でホームランを打ったりはしないけれど、ホームランと同じくらいの成功になるということなのです。
3. Hit the sack
「Sack」という単語自体は袋やリュックサックです。
しかし、それを打つという意味では訳しても全く分からないですね。
これは「寝る」という意味。
もう少し詳しく言うと、床に就く・布団に入るという意味になります。
単純に、話し言葉で寝るという意味でも使われているようです。
例文1:
「I’m so tired I’m just going to hit the sack. Good night!」
翻訳:
「すごく疲れてるからもう寝るわ。おやすみ〜」
例文2:
「I don’t know why I’m so tired. I hit the sack really early last night!」
翻訳:
「なんでこんなに疲れてるのか分からない。昨日すごく早く寝たのに!」
4.Hit the ceiling
何かを天井に打つという意味ですが、イディオムとしてはとても怒って、怒鳴るという意味。
例文1:
「I’m late again, I’m sure my boss will hit the ceiling.」
翻訳:
「また遅刻しちゃう。絶対上司に怒られる。」
例文2:
「My dad hit the ceiling when he saw my grades.」
翻訳:
「私の成績を見て、父はすごく怒った。」
ちなみに、「Hit the roof」も同じ意味です。
5.Hit the nail on the head
言葉の通りに訳してしまうと、頭に釘を打つという意味になります。
本来の意味ならばあまり良くないことですが、イディオムとしての意味は、「何かの核心を突く・とても正当なことを言う・何か完璧にする」という意味。
英語で説明すると、「To be absolutely right」という意味です。
例文で見るとわかりやすいです。
例文1:
(レストランなどで味が濃すぎたシュチュエーションで)
「Yamada hit the nail on the head when he said the problem was the salt.」
翻訳:
「山田は塩の問題だと言ったのは、まさに核心をついた。」
例文2:
「You have hit the nail on the head」
翻訳:
「(あなたはその発言で)まさに核心をついた。」
使い方としては、疑問、問題や原因などを考えている時に、誰かが「そうだ!」と納得できることを言った時などに便利に使えます。
6.Hit the panic button
実際にボタンを押すわけではなく、ただ突然パニックになるという意味。
例文1:
「Don’t hit the panic button. Just breath and try to relax.」
翻訳:
「落ち着いて!深呼吸してリラックス。」
少し違う意味もあります。この文章を見てください。
例文2:
「The team has no need to hit the panic button just yet. They have only lost once.」
翻訳:
「そのチームはまだ焦る必要はない。まだ一回しか負けてないから。」
例文2の意味を説明すると、難しいシチュエーションを早く解決するため、何も考えないでとにかく頑張るというニュアンスです。
7.Hit the road
旅に出るという意味で一般的に良く使われるイディオム。
移動方法に関係なく使えるのですが、特に車で移動する時に、使用されることが多いです。
主に旅などに出発する場面で使われます。
また、どこかから帰る時に家の方向に出発するという時にも使え、単純にどこかから立ち去るという意味でも使える便利な表現です。
例文1:
「I would love to stay longer but it’s time to hit the road」
翻訳:「本当はもっと長くここにいたいけど、もう行かなきゃ」
例文2:
「I’d better go to sleep early today. I have to hit the the road very early in the morning.」
翻訳:
「今日は早めに寝た方がいいな。明日早く出発しないといけない。」
上の例文のように、少しネガティブな意味が入っています。本当は外に出たくない、出発したくない。だけど行かないといけないという感じです。「Have to go」という表現に似ています。
8.Hit on someone
この流れでもう分かってしまうかもしれませんが、誰かを叩くことではないんです!
逆に、相手に好意を持たれるために行う行動のこと。いわゆるナンパです。
例文:
「Oh my god, I think she’s hitting on me. Should I ask her out?」
翻訳:
「やばい、彼女からナンパされてると思う。デートに誘った方がいいかな?」
会話の例文:
男:「You’re so beautiful I can’t even put it to words.」(言葉で説明できないほど綺麗だ)
女:「Okay, you’re hitting on me.」(はぁ、私のことナンパしてるのね)
*女性の方はあまりいい意味で言っていません。
注意点ですが、「Hit on someone」は地域と人によってニュアンスはかなり変わってしまいます。
純粋に真剣な交際相手を求めている人の場合にも言うのですが、軽い気持ちで性的関係だけ求めているという意味でも使われています。
「flirting」という言葉がありますが、どっちかといえば「flirting」の方が軽い意味で、「Hit on someone」の方が何かアクションを求めているニュアンスになると思います。
どちらにせよ、軽はずみには使わない方がいいでしょう。
9.Hit it off
誰かと仲良くできるという意味。
早く仲良くなったというニュアンスも入っているので、すぐに仲良くなった場合に使えます。
会ったばかりなのに話が合って、一緒に楽しい時間が過ごせるという意味でも使うことができるのです。
例文1:
「We hit it off on our first date.」
翻訳:
「初デートですぐに仲良くなった」
例文2:
「You and Mary seemed to really hit it off. Did you already ask her out?」
翻訳:
「メリーと本当に仲よさそうだったな。もうデートに誘った?」
上の例文は両方ロマンチックな関係のことですが、同じように友達との関係にも使って大丈夫です。
面接のようなビジネス場面や面接官ととても話が合って、そのことについて友達と話す時にもこの表現が使えます。
10.Hit rock bottom
英語の単語通り、最低最悪のどん底まで落ちるという意味。最悪な事態になる。
もうこれ以上落ち込みようがないくらい、ひどく落ち込む。
人生一番の底に落ちるという辛い状況で使うイディオム。
例文1:
「I hit rock bottom after losing my job and breaking up with my boyfriend.」
翻訳:
「仕事を失い、彼氏とも別れちゃって、人生のどん底まで落ちた。」
例文2:
「When you hit rock bottom, you have nowhere to go but up.」
翻訳:
「どん底まで落ちたら、そこから上にしか行けない」(励ましの言葉)
ちなみに、インターネットで「Rock bottom」という言葉をよく見かけます。
その言葉は「悪いことではない。」という考え方で最近流行っているようです。
「いいスタートだ!」、「チャンスだ!」などのような考え方が広がっています。
皆さん!
「Even if you feel like you’ve hit rock bottom in your English studies, don’t give up!」
というのは、私からのメッセージです。
英語の勉強でどんなにどん底まで落ちたと思っても、絶対に諦めないでください!
以下の記事で紹介している海外では、通じないカタカナ英語もぜひチェックしておきましょう。